時給２３３円？メダカビジネスと就労継続支援B型事業所の関係性

就労継続支援B型事業所のメダカ屋さんはもう国内にいくつも存在するようです。堀切めだかも９店舗中２店舗がそれに該当します（東京都荒川区の４号店と足立区の９号店）。就労継続支援B型事業所のメダカ屋さんは堀切めだか以外でも今後は増えていくのではないかとみています。ということで、改めて就労継続支援B型事業所についての基礎知識をご紹介します。

１．就労継続支援B型事業所とは？

雇用契約に基づく通常の事業所や会社に就労が困難である方（障がいや難病をお持ちの方）に対して、仕事に就くの機会の提供、および就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練・支援を行う事業所及びサービスのことです。

２．「B型」という事は「A型」もあるの？

A型は雇用契約を結んだ上での就労は可能だけど一般企業には就労困難な方、の職業訓練施設です。雇用契約という事ですから労働基準法の他、最低賃金法も適用されます。一方B型は雇用契約が困難な方のための職業訓練（体験）施設です。雇用契約が困難とは一例として毎日決められた時間に職場に行くことが困難な場合があげられます。最大の特徴は作業はしても最低賃金法の適用はありません。賃金とは言わず、工賃という言葉が使われます。令和３年度の全国の平均工賃は２３３円なのだそうです。

３．国内にB型事業所はどのくらいあるの？

B型事業所は全国に約１万か所（A型事業所はその1/4ほど）もあるのだそうです。利用者総数は２０万人以上。人口1万人に対し1か所。１か所平均２０人前後の方が職業訓練（体験）で利用されているイメージです。東京都足立区（人口６９万人）の例では約４０か所存在しています。その位身近にゴロゴロあるのです。

４．時給２３３円ってどういうこと？

厚生労働省ではこの金額をまずは倍増させようという目標を掲げています。しかし倍でも４６６円です。ここは難しい問題ですが、工賃平均が例えば１０００円を超えるとその職場は健常者の占拠率が上昇してしまうことは想像に難くありません。なかなか普通の企業に就職できない利用者のご家族の意見にこういった事例がありました。「朝、行ってきますと家を出て、夕方お帰りなさいと出迎える。そんな生活をまずはすることが重要」。このエピソード一つで就労支援B型事業所の社会的存在意義が私はとても腹に落ちたのですが、いかがでしょうか。

５．なぜ就労支援Ｂ型事業所のメダカ屋が増えているの？

就労支援Ｂ型事業所の収益構造は簡単に言うとこのようになっています。

（１）運営会社と管理スタッフの収入源

　　　　→自治体（国？）からの助成金

（２）施設利用者のみなさんの工賃に反映される収入源

　　　　→施設で展開された事業の収益

つまり、就労支援Ｂ型事業所の事業がメダカ屋であった場合、メダカ屋として挙げた利益は利用者の方の工賃として分配し、運営会社や管理スタッフの収入に回してはいけない決まりになっています。

そんな中、通常の企業に就労ができない皆さんの作業や事業で時給１０００円越えの利益を上げることはなかなか困難なことです。従来は「農作業、部品の加工、製品に刺繍をするなどの手工芸、パンやクッキーなどのお菓子作り、飲食店での調理、衣類やリネンなどのクリーニング、WEBサイトの作成など」が主な事業でした。そこに近年「メダカ屋」が利用者さんの作業力との親和性もあり、従来型の事業と比べても高い工賃の分配が期待できるのではないか、と注目されているのです。

（参考記事）

hataraku-base.jp

堀切めだか４号店を運営する「よつばのわ」ホームページ

yotuba-clover.net

堀切めだか９号店を運営する「ラグーン綾瀬」ホームページ

lagoonayase.com