「堀切めだか」は「いとしのエリー」なのである。というお話

今日2月22日は堀切めだかを運営する株式会社ちかなりの創立記念日です。

写真は創業時。2007年の夏に若いエンジニア6名が私が住んでいた台東区のマンションに集結。就職サイト合説どっとこむの開発を始めました。

エンジニアとして駆け出しだった若手仲良し6人組。そのリーダー格の青年と2人で飲んだ時が全ての始まりでした。彼から「勉強会をやりたい」という相談を受けました。そこで私はこう提案しました。「単なる勉強会では長続きしない。就職サイトの案があるからプロジェクトとして本気で開発をやってみよう。場所はうちのマンションを提供する。山手線の駅から近いから皆が集まるアクセスもいい。」と。

メンバー全員が会社員。毎週土曜日だけ集まる「週末起業」でした。当初は全員無報酬。交通費も自腹。自由度の高いサークルのような不安定な集まりでした。

しかし奇跡が起きます。メンバーの中からタスク整理に長け、仕事をやり切ることができる優れたプロジェクトリーダーが現れたのです。それが現在も執行役員として在籍してくれている女性です。彼女との出会いは起業家を夢見ていた私に神様がくれた大きなプレゼントだと思いました。そして彼女のリードによって数ヶ月でサイトは完成。翌2008年の2月22日に株式会社を設立し、今日に至ります。

こうしてできた合説どっとこむは今でも会社の売り上げの軸となっている事業です。ベンチャー系の就職情報サイトは当時からたくさんありましたが、今も創業者が事業を続けているのは合説どっとこむくらいかもしれません。

創業時の6名で今も当社に残っているのは1名だけですが、他の５名とは今でも連絡の取れる良好な関係を続けさせてもらってます。当時私は42歳。その時ほとんど30歳以下でエンジニアとしては駆け出しだった彼らも今では立派になりました。

私はエンジニアではないので就職サイトを作る事はできません。人事部の採用担当を長年経験した立場でこのプロジェクトをマネジメントしてきました。あとは資金を出して、パソコンを揃え、事務所の環境を作り、仕事の日はお茶菓子を用意して、局面ごとに意思決定、という役割を担うだけでした。彼ら仲良し6人組との出会いがなかったら私は起業家になれていなかったでしょう。

人間の誕生日は自分を産んでくれた親への感謝に浸る日ですが、会社の設立記念日は私にとって創業時メンバーへの感謝に浸る日です。16年も経つと本当に感慨深いものです。

法人の寿命は無限です。そこが人間との違いです。株式会社ちかなりを永遠に死なない会社にすることが私の最大の使命。とは言え、この余は諸行無常。一つの事業が時流に乗って成功したとはいえ、それが１００年、いや５０年続くことさえまれなのです。だから新規事業には常に挑戦し続けないと、会社を永続させることはできません。

新規事業に挑戦するもう一つの理由は私の起業家としてのプライドです。合説どっとこむだけの成功だけでは起業家として「一発屋」。歌手だって芸人だってその成功が運ではなく実力であると示したいために二発目の当たりを模索します。

サザンオールスターズの桑田さんもデビュー曲の「勝手にシンドバット」のヒット後、２曲目を作ることに苦しんだと言います。ちなみにサザンの２曲目は「気分次第で責めないで」。ご存じでない方も多い曲。相当なサザンファンでもカラオケでこれを歌っている人をほとんど見たことがありません。

そして３曲目で放った「いとしのエリー」が大ヒットし、今に至ります。

ということで、私は堀切めだかを「いとしのエリー」にしたいと思っています。

株式会社ちかなりの事業物語はこういうイメージです。

「合説どっとこむ」＝「勝手にシンドバット」

「楽ミントン（バドミントンフィットネスクラブ、社運を賭けるも２０１９年に撤退）」＝「気分次第で責めないで」

「堀切めだか」＝「いとしのエリー」

つまりは「めだか」＝「エリー」

だから「メダカ、マイラブ、ソー、スイート」なのであります。

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