夫婦喧嘩に気を付けよ！楊貴妃の赤を濃くするという夢の追求

私たちの経験値とネットなどの情報からまとめた「楊貴妃、紅帝（＝朱赤メダカ）を赤く育てる方法」をまとめました。これらはまだまだ検証を仕切れていない仮説ではあります。しかしらんちゅうの鱗をきれいに赤く育てる方法とほぼ合致しており、信ぴょう性がまぁまぁ高いのではないかと考えています。

１．遺伝要素３、後天的要素（飼い方育て方）７と考える

これは３対７が絶対なのかはわかりません。１対９でも２対８でもいいと思います。いずれにしても後天的要素である飼い方と育て方は重要という点は間違いないでしょう。赤の濃いメダカを入手し子を採ったらその後はテキトーな飼い方をしても赤くなるわけではない、と。まずはこのことを理解することが重要です。

２．メダカは赤い色素を持っていない
→黒、白、黄色、虹色の４つしかない

３．高水温はNG。水温は２５度以下

冬を越した朱赤メダカの赤は明らかに濃いという経験をお持ちの方は多いと思います。らんちゅうでは「一日の中での温度の高低差が赤を濃くする。つまり紅葉と同じなのだ」と説きつつ本当に赤の濃い魚をいつも作っている人がいました。２５度以下がピンポイントで正解なのかどうかは不明ですが、別の一流らんちゅう師はヒーターの最高水温をいつも２４度以下にセットしています。そのあたりに正解がありそうです。

４．飼育容器は黒あるいは深緑

これもらんちゅうの師匠から強く指導を受けています。青や白はダメだと。らんちゅうで黒い容器を使うことはありませんが、私のところでは基本的に深緑の池を使用しています。

５．色揚げのエサに含まれるアスタキサンチンが有効
→エビやカニにはアスタキサンチンが含まれる
→だからゆでると赤くなる

やはりらんちゅうでも品評会の成績を上げるために色揚げのエサを使うのは常識となっています。ただ、飼料メーカーの方の話によると色揚げのエサは消化が良くないのだそうです。ここが悩ましいところです。それさえなければ色揚げ用のエサだけを与えればいいのですが、そう簡単にはいかないものですね。

６．汚れた水は体色が色あせる（青水もNG）

これもらんちゅうの世界における経験則からみて共感ができる説です。下記７番の話と通ずるものがあるとみています。らんちゅうは色のあせ具合で水替えをさぼっているか否かがわかってしまうほど。青水は薄めの青水をいい塩梅で維持できればいいのですが、青水は様々な微生物による制御不能な働きによってあっという間に濃度も水質も変わってしまいます。良質な薄い青水を維持するためには結局水替えを頻繁にしないとできませんしとても難しいことだと思います。ならば朱赤メダカの赤を究極に濃くしたい場合は青水はNGとルールづけてしまった方がいいかと思います。

７．活きた水を常にエラから吸い込ませる
→アンモニアと亜硝酸を浴びせない
→ろ過バクテリアの充実または頻繁な水替え

水槽内では魚の排泄物からアンモニアは直ちに発生します。それが数日後には亜硝酸に変化し、エラから侵入して血液の酸素運搬を阻害するのだそうです。エラ、酸素、血液中の運搬阻害、は空腹のような感覚と異なり私たちが日常生活で実感しにくいものです。初心者の方がピンとこないのはこのあたりにあるようです。酸素は生きるための優先順位が１位です。亜硝酸の害を完全に防ぐには少なくとも２日に一度９割程度の水を替えるか、２か月以上は回してろ過バクテリアがものすごく充実しているフィルターや底床の力を借りるか、の２択になります。ちなみに品評会らんちゅうでは前者の方が成績は上がります。

８．急速に大きくするのはNG
→半年かけて成魚にするイメージでゆっくり育てる

この件は感覚的に共感しています。体の成長よりも色の形成に栄養を回す、ような説もあります。それも共感できる話です。

９．品評会で好成績を収めるらんちゅうの育て方に近い
→らんちゅうを学ぶことは有効

これは本当にそうだと思います。品評会らんちゅうはつまるところ人間でいうところのボディビルです。食事と運動を徹底的に科学して最高の体を作り上げるという世界です。メダカの世界はまだボディビルのようなストイックさについては未成熟です。そのことは権威ある大会があってそこに多くの人が参加して競争原理が厳しく効いていくことで洗練されていきます。らんちゅうの世界には１３０年以上にわたる多くの熱狂者による競争の歴史から生まれた深いノウハウがあります。より色を揚げる、より大きくする、より頭のコブを充実させる、より泳ぎを磨く、難病も治す、といったことに多くの人が人生をかけてきました。そして全国でたくさんの会が組織され仲間内で情報の共有や共同研究も盛んにおこなわれてきました。そういう意味ではこういったイベントが開催されているのは素晴らしいことだと思いました。歴史を重ね参加者を積み上げ盛り上がっていくことを期待したいですね。

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で、結局のところ赤の濃厚な朱赤メダカを造っていくには、本来なら放置飼育が成立する単価の安いメダカにもかかわらず、わざわざ１０万円にもなるらんちゅうのように狂ったように手をかけて飼育するという覚悟と情熱が必要なのでしょう。

と同時に、奥様方の逆鱗に触れるような水道光熱費の投資も覚悟しましょう。

ちなみに私の妻は庭に高級錦鯉がうようよいたという家庭で育っているので観賞魚の免疫は最高レベル。なのでメダカもらんちゅうもノンブレーキで走れています。