満員電車は不滅、その理由とは

「１０年後のニッポン」

堀江貴文さんの著書は「誰にもどこにも忖度なし」という点に大きな魅力があります。歯に衣着せぬ表現が単純に読んでいて面白いし、これまでもたくさん読んできて多くの学びをいただきました。

最新刊となる今回の本。印象に残った話を備忘録としてまとめます。

１．死とはすなわち遺された方の問題だ

確かに。仮に私が今夜にでも死んだとしたら、私自身は明日そのことで苦痛を受けるわけでもなく、死を悔いるわけでもありません。心も意識も本当に「無」になるだけです。一方、残された人たち。心から悲しんでくれる人も何人かいると思うし、仕事関係でも多くの方に「問題、課題」を残すこととなってしまいます。私が自殺をする可能性はゼロですが、時々そういうことを考えてしまう方はあなたの死が「遺された方の問題になる」と考えるだけでも踏みとどまる理由になるのかもしれません。また、私たちは日常的にメダカの死に接しています。これもその本質は飼育者の心の痛みが一番の問題なのかもしれません。愛魚を死なせてしまったメダカ愛好家の皆さんにもっと寄り添い、愛魚を少なくとも飼育者の過失で死なせないように情報提供をしていくことはメダカ屋としての大切な使命だという事を改めて感じました。

２．経済の神様はトイレに住む

公共施設のトイレのきれいさとクオリティは昭和の日本と現在では全くレベルが違います。まだ経済的に発展途上にある海外に行くと昭和の日本のようなトイレが普通です。それはそれとして「トイレの神様」という有名な曲をもじったようなワードセンスに感心しました。

３．政治家も鉄道会社も満員電車を解決する動機はない

今の東京都知事である小池百合子さん。その仕事ぶりとリーダーシップは個人的にも尊敬しているのですが、一点だけ許しがたいことがあります。それは最初に当選した時に「満員電車ゼロ」を公約としたことです。「例えば地下鉄を２階建てにすればいい」とか言いながら。私は思いました「おいおい有権者の皆さん、こんなウソ八百の公約に騙されちゃうの？」。あれから何年たつでしょう。東京の満員電車はなくなる気配もないし、知事の当選時から何の策も講じられていません。この事実に対し堀江さんは見事な分析を示してくれています。「実行力、行動力のある人は政治を変えようとするのではなく、自分のライフスタイルを変えようとする（満員電車に乗らない生活にシフトする）」。だから小池さんの公約違反など意に介さない。一方保守的な人はブツブツ愚痴りながら声も上げず今日も満員電車に乗り続ける。政治家も鉄道会社も文句を言われないのだから満員電車を解決する動機はない（電車は満員にした方が儲かるし）。で、次のような皮肉満載のフレーズが堀江さんらしく、今回一番爆笑したところでした。

かくして電車はこれからも大盛況。人々の不満を乗せて日夜走り続けるのだ。満員電車は不滅である。

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