「目が肥える」ということについて

プロのメダカ師が身につけなければいけない能力の一つが「目が肥えている」という能力。今回はそんなお話を。

先週の土曜日。母校である東京経済大学バドミントン部の男子チームが２部昇格を果たし祝勝会が開催されました。写真に写っているうち６人がOB、一人が部長先生（顧問の様な立場）、残りが現役の学生たちです。卒業から３６年。私はこの中でもう２番目の年長者となりました。現場の監督、コーチは若いOBに任せていますが、数年前まで私はこのチームの監督をしていました。メダカ事業を開始する以前のことです。

関東の大学リーグは１部６校、２部６校、３部１２校、４部～６部各２４校のおよそ１００チームが参加するリーグです。２部昇格という事はこの中の１２番目に位置するという事。箱根駅伝なら本選出場に相当します。高校時代にインターハイ出場経験があってもレギュラーになれないケースもあるという強豪チームなのです。

このチームでの監督経験は私自身、大変勉強になりました。

東経大の男子は私が主将をしていた４０年前は４部でした。卒業直後に同大学にスポーツ推薦入試枠が新設され、平成に入ってチームはちょっと強くなりました。３部で優勝を争うまでにはなったものの、２部の壁には跳ね返されていました。

長年の苦労を乗り越えて５８年前の創部以来初の２部昇格を果たしたのは５年度ほど前のことです。ところが２部リーグに参戦すると３部では無敵の帝王だった選手たちが一つも勝てず惨敗続き。衝撃でした。

そして何度か戦ううちに、その差がどこにあるのかが私の目にはっきり見えるようになってきたのです。簡単に言うと３部以下は技術的に小さな欠点があっても長所でカバーして押しきることができるけれども、２部以上では技術的に未完成な点が一つでもあると通用しないこと、でした。プロとアマの差のようなものです。

その後、２部と３部を行き来していく中でその境目を現場で膨大な時間をかけて観察することでそのいわゆる「プロ」と「アマ」の差が一瞬で分かるようになりました。自分自身はものすごく不思議な感覚です。わかってしまえば１０年前はなぜこれが見えていなかったんだろうと。

今だったら知らない選手でも２、３分プレーをしている姿を見るだけで全国大会クラス、関東大会クラス、地元でのみ活躍できるクラスなどの見分けができるようになりました。その理由も言語にして説明することもできます。

いわゆる「目が肥えた」状態に突入したのです。

５８年も生きているとこのように目が肥えたものがいくつかあります。バドミントンの他ですと

・採用面接

・履歴書写真

・らんちゅう