メダカ人気の理由を考える（１０）自分がハマった理由

私個人がメダカにハマり、それを職業とし、人生をささげる決意をした理由は３つの切り口で整理ができるかと思います。

１．自分がやりたいことである

２．自分に向いていることである

３．自分ができることである

１．自分がやりたいことである

私は子供のころから筋金入りの観賞魚好きです。そのバックボーンは四国（愛媛県宇和島市）の豊かな自然への強い憧れにありました。

私の育ちは埼玉県越谷市。一方親戚のほとんどは両親の出身地である愛媛県宇和島市にいます。夏休みによく宇和島を訪れ、いとこたちと遊んだのですが、海、川、山、そのすべてが越谷とは別世界。そこは夢の国そのもの。子供のころ、私の頭の中は宇和島へ行きたい、宇和島に住みたいという気持ちでいっぱいでした。

そんな夢を部分的にかなえてくれたのは「家に水槽を置いて魚を飼育すること」だったのです。そして金魚や淡水熱帯魚に夢中に。社会人になって以後もアクアリウムショップへの転職を考えた時期もあるほどです。

起業して会社と仕事に余裕ができた１０年くらい前からは職場に水槽や池を置き、ビジネスとは無関係に観賞魚に膨大な時間を割いていました。しかし金魚や熱帯魚で生計を立てることは私にはできません。

そんな中で出会ったのがメダカ。これはベンチャービジネスに向いており、会社として公式に事業化できます。ついに観賞魚を職業にする手段を見つけた！と思ったのが２０２０年の夏。当時はコロナ渦で会社も創業以来最も大変な状況にありました。しかしそんな不安や苦労が吹っ飛ぶくらい、メダカによって私の心は夢と希望に包まれたのです。

２．自分に向いていることである

私は完全にマルチタスク志向の人間です。シングルタスク志向とは真逆。同時進行でいろいろなことをするのが好きで、得意なタイプ。様々な局面で多様という言葉がついて回るのがメダカ。趣味としても仕事としても自分の気質との親和性が極めて高いと実感しています。

例えば、好きなメダカの品種というのは私にとって特定はされていません。全部の品種が好き。高級品種ばかりでなくヒメダカや黒メダカも好きです。商業効率そっちのけでいろいろな品種の飼育を楽しんでいます。

３．自分ができることである

堀切めだか１号店があり住居でもあるこのビル。

敷地面積１００坪で４階建てのこのビルは趣味としても店舗としても養魚場としても、家業規模でメダカをやるには最高の環境です。２０１７年の冬に１億７０００万円の大借金と１０００万円の頭金で購入した自社物件で、私自身の住居も兼ねています。

コロナ前までは就職活動をする大学生の合宿事業をこのビルでやっていましたがコロナ禍でその事業ができなくなったのが２０２０年の３月。メダカビジネスに出会ったのがその年の７月。

当社の核事業は就職サイト運営ですが、２０２０年時点でそちらの方は優秀な社員と提携先企業のスタッフさんのおかげで完全に自走する体制となっていました。創業者で代表である私個人はセミリタイヤさえも視野に入れていた時で、「時間」と「収入（ある程度の資金）」と「物件」があったのです。だからすぐにこのビジネスに突入し、没頭することができました。

また、１で述べたように、それまでの数年間、金魚（らんちゅう）や淡水熱帯魚について本職であるがごとく時間と資金を投入し、大学受験の時以上に勉強をしていたことがメダカのプロへの移行をスムーズなものにしてくれました。

２０１７年、迷いに迷った末に思い切ってこのビルを買ったこと、そしてメダカと出会うまでの３年間が合宿事業で回っていたこと、メダカと出会ったときに合宿事業が休止していて部屋が空いており、すぐにメダカ事業を開始、拡大できたことは結果論から言うと出来すぎたストーリーと思えるほど。

このビルでたくさんのメダカと暮らす生活は私も妻も最高と思っています。死ぬまでここで暮らし、この仕事をつづけていきたいと、二人で毎日のように話しています。メダカ愛好家のみなさんと、メダカ業界の皆さん、そしてメダカたちには感謝の気持ちでいっぱいです。

ちなみにこのビルの購入時に借りた１億７０００万円の２５年ローンの残りはあと２０年。私が７７歳の時に終わります。個人的なこの仕事の引退の設定年齢としてもちょうどいい感じ（堀切めだかは後継者を見つけて永続を図りますが）。これまでの５年は諸々の事業収入と返済が円滑です。あと２０年もおそらく問題なく行けるとみています。健康だけ気をつければ。

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