読者からの質問にお答えします（１８）～若魚、稚魚の冬の飼育について～

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「相談内容は冬季の飼育環境についてです。

わたしの今現在の飼育環境は
・東京都江東区在住
・屋外飼育(雨避けにポリカ波板屋根のみ有)
・冬季は早朝～昼13時直射日光。以降明るい日影
・飼育容器は発泡スチロールで水量は一匹に対し１L程度は確保できている
心配事として
・1.5～2cm前後の若魚や、それ以下の稚魚をこのまま屋外飼育で冬を迎えてよいのか
・室内飼育に切り替えた場合、紫外線不足から病気になったり、亡くなってしまう可能性が高くなるのではないか　
という点です。
現在対応策として、それらを冬季のみ室内飼育に切り替え、エアコンを効かせた部屋でUV-Bのライトを照射するということを想定していますが、本当にそれがめだかによい環境なのか不安があります。兵頭さんは冬季に若魚や稚魚をどのような環境で育ていらっしゃいますか？もしよろしければアドバイスをいただきたく思います。よろしくお願いいたします。」

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ありがとうございます。

結論から申しますとご自身が思ってみた飼育方法を全部試されることをお勧めします。

メダカ飼育の方法は実に多様です。なので意外なことがうまく行ったりします。いろんな飼育方法を経験してみて初めてメダカが何を望んでいるのかが見えてくるのだと思います。

が、それには当然に失敗も伴います。

ただ、観賞魚飼育で避けて通れないことは人間による業務上過失致死を何度も経験することで飼育者として成長できるという事です。死なせてしまった魚には酷ではありますが、そのことで今後飼育する魚を死なせない技術が身についていくので結果的にはより多くのメダカの命を救うことになります。

ちなみに私が所属するらんちゅうの会では私たち会員が死なせてしまった魚を供養する行事を毎年神社で行っています。金魚飼育の上級者の集まりでさえ過失致死がゼロの年はない、という前提でこの行事は繰り返されているのです。

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堀切めだかでは屋外、温室、常温の室内、太陽光のある部屋、ない部屋、など様々飼育環境で冬越しをさせています。

稚魚に近い若魚もこのように屋外で冬越しをさせます。

ちなみに昨年の冬はこの場所が非常にうまくいきました。

ここは3階和室の廊下。窓は南向き。太陽光は十分に当たります。暖房無しです。冬の間でも太陽光が差すと１５度を超えることもあれば、夜は普通に５度以下になります。

特に右側に並ぶ青い容器の一つには驚かされました。トロトロの青水。エアレーションもろ過も底床も水草もなし。冬の間半年近く水替えなし。後半はどす黒いどぶの水のようになりました。約５０リットルの水量に５０匹程度の極ブラックの若魚。究極の手抜き＆ほったらかし飼育です。それが春には立派な成魚となっていたのです。体外光もしっかり乗って。卵もたくさん産みました。

このまさかの結果オーライには考えさせられるものがありました。メダカが望んでいることと我々人間が描く理想飼育の仮説はずいぶんとかけ離れているのかも、と思った一件でした。

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